Content Provenance and Delegation Standard
AI 時代のコンテンツの出所と責任を可視化する規格の叩き台
CPDS は、コンテンツの「誰が作ったか」「誰の委任で動作したか」「何かあったとき誰が責任を負うか」を、検証可能なメタデータとして記録するための規格の叩き台です。
法律ではなく、市場の抑止力で機能させることを目指しています。出所をごまかすコストを上げ、正直であることが当たり前になる世界を、技術と規約で支えるのが狙いです。
- クリエイターの作品が AI に無断学習され、保護する手段がない
- AI 生成コンテンツと人間作成コンテンツの区別がつかない
- AI による誹謗中傷・なりすまし・フェイクの発信者が辿れない
- AI が代理で行った行為の責任の所在が曖昧
これらは、根本的には「コンテンツの出所が辿れない」という単一の技術的空白から派生しています。CPDS はその空白を、既存技術(C2PA、Verifiable Credentials、MCP)を組み合わせて埋める提案です。
┌─────────────────┬─────────────────┬─────────────────┐
│ PROVENANCE │ DELEGATION │ REGISTRY │
│ │ │ │
│ コンテンツに │ AI が代理した │ 第三者が運営する│
│ 出所メタデータ │ 場合の委任を │ 公的台帳で │
│ を付与する │ 連鎖的に辿る │ 検証可能にする │
└─────────────────┴─────────────────┴─────────────────┘
Discussion Draft v0.4 — 完成された仕様ではありません。
これは議論のための叩き台です。多くの未解決論点があり、改善の余地が大きいです。批判・修正・反論を歓迎します。
- CPDS 仕様書 v0.4 — 全 15 章の技術仕様
- データモデル、署名と検証、テキスト透かしの3層設計
- MCP 統合(委任チェーンの多段化、Tool Invocation Record)
- サブ委任のセキュリティ、Registry ガバナンス、認証マーク運用
- 5 つのユースケース(シーケンス図付き)
- Anticipated Objections v0.1 — 14 の想定批判への回答
- 複雑性、インフラ運営、有効性、経済性、哲学的問題への応答
- HTML プレゼンテーション — 視覚的な概要
- note 記事 — 一般向けの問題提起
「とりあえずどんなものか見たい」という方は、以下の順序がおすすめです。
- 30秒: この README の上の方を読む
- 5分: HTML プレゼンテーションを見る
- 15分: note 記事を読む
- 1時間: 仕様書 v0.4を読む
- その後: 想定反論集で限界を確認
CPDS は既存の規格・プロトコルを基盤としています。
| 規格 | CPDS との関係 |
|---|---|
| C2PA | 画像・動画の出所証明の基盤として使用 |
| W3C Verifiable Credentials | Delegation Certificate の表現に使用 |
| W3C DID | アクターの識別子として使用 |
| Model Context Protocol | AI のツール使用を委任チェーンに統合 |
| OAuth 2.0 | 委任の発行フローを参考 |
- 🐛 仕様の問題点: Issues で報告してください
- 💡 改善提案: Pull Requests を歓迎します
- ❓ 質問・議論: Discussions でお願いします
クリエイターの方へ: 想定する保護メカニズムが実情に合っているか、率直なフィードバックをお願いします。特に 9.2 イラストレーターの作品保護 を見てください。
AI 開発者の方へ: MCP 統合(セクション 15)、サブ委任のセキュリティ(15.10)が現実的か検討してください。
法律・政策関係者の方へ: 規制と規格の役割分担(本リポジトリの「規格は法的中立」原則)について議論したいです。
標準化に詳しい方へ: 関連既存規格(C2PA、VC、MCP)との統合方法、標準化団体への持ち込みルートについて知見を求めています。
| フェーズ | 状態 | 内容 |
|---|---|---|
| Phase 1: 仕様の整備 | 🟢 進行中 | v0.4 → v1.0 への改訂 |
| Phase 2: リファレンス実装 | 🟡 計画中 | Python による最小実装 |
| Phase 3: 関係者との対話 | 🟡 計画中 | C2PA、MCP、Anthropic、OpenAI 等 |
| Phase 4: 標準化提案 | 🔴 未着手 | W3C、IETF、ISO への持ち込み |
| Phase 5: 英訳・国際展開 | 🔴 未着手 | グローバル化 |
仕様書、ドキュメント、すべてのテキストは CC0 1.0 Universal で公開しています。誰でも自由に実装・採用・改変・再配布できます。
これは規格として広く採用されるための意図的な選択です。
江頭 良喜 ryoki.eto@gmail.com
CPDS は多くの先行研究と議論に支えられています。
- C2PA コミュニティの皆さま
- MCP の開発者の皆さま
- 文化庁のパブリックコメントに意見を寄せたクリエイターの皆さま
- AI ガバナンスを論じる研究者の皆さま
直接の対話がなくとも、その問題提起の上に CPDS は立っています。
Discussion Draft. Comments welcome.